それから、少しして授業が始まる。


「ねぇねぇ千幸ちゃん、俺まだ教科書ないからさ、見せてもらってもいーい?」

「う、うんもちろんだよ」

「じゃあ机くっつけるね」


そう言った四条さんは、私の机と自分の机の端と端をくっつけた。


私は教科書を机の間に広げる。


「ごめん、俺目悪いからもっと近づいていい?」

「えっ?あ、うん」


席が近づいて、四条さんとも距離が近くなる。

き、緊張する……ちょっと、ドキドキするかも……。