ひだまりで誓う桜色の愛

こんなこと言ったら逆ギレされそうだから、あえて心に留めておくけど、理空のほうがナメてるよな。

相手のためを思っているように見えて、立場や環境を考慮しないというか。

俺も散々注意されたから偉そうなことは言えないけど、理空も誰かにガツンと叱られたほうがいいと思う。



「簡単に言うな。参ればいい問題じゃないんだよ」

「他に何か問題があるの?」

「……うん」



ばっさり吐き捨てられる覚悟で、快く返事ができない理由を話した。



「それ、本当……?」

「本人がそう言ってたから、間違いない」



口を手のひらで覆って絶句している。

さすがの理空も、こればっかりは何も言えない様子だ。



「わかっただろ? 決心がつかない理由」

「う、うん。確かにこれは、ためらうかも」



おっ、初めて共感してくれた。



「でも、ずっとこのままってわけにもいかないし、今の話、全部話しちゃえば?」



と思ったけれど、人間、そんなすぐ変わるわけないか。



「もちろん、千早さんへの気持ちも一緒に」

「難度高いな……」

「文句言わない。だけど、付き合う前にやらなきゃいけないことがある」