ひだまりで誓う桜色の愛

図星を突かれ、ピクッと眉間にシワを寄せる。

わずかな動きだったが、見逃さなかったのか、理空の口から、はー……と長い溜め息がこぼれた。



「お兄ちゃんがこんなに女々しい奴だったなんて……」

「なんだよその言い方」

「本当のことじゃん。いくらなんでも引きずりすぎ。ってか、よくそれでデートに誘えたね。恋愛ナメてるの?」



吐かれた鋭い言葉たちが胸にグサグサと突き刺さる。



「未練たらたらのまま他の人を好きになって、あげくの果てにはホワイトデーにデートって」

「やめろ」

「大切な友達のわりには全然大切にしてなくない? それ、浮気とほぼ一緒じゃ」

「やめろって!」



夜にも関わらず、大声を上げて遮った。



「何も知らないくせに偉そうに言って。俺だって受け入れたいよ。もういい加減けりつけたい」

「ならつければいいじゃん。今からでも遅くないよ? 会いに行くのは難しいから、こうやって、家がある方角に向かって手を合わせれば」



実演する理空だが、共感性は微塵も感じられず。
どこまでも自分勝手な思考に呆れて溜め息をつく。