ひだまりで誓う桜色の愛

「どうしたの？　えっ、バラ？　スイートピーにするんじゃなかったの？」

「いやいや。スイートピーは決まってるんだよ。ただ、他のも見てたら増やしたくなって……」



苦笑いする父の視線をたどる。


バラ、ガーベラ、ラナンキュラス、カーネーション、チューリップ。

色は赤と白とピンクが主で、オレンジと黄色もチラホラ。

迷う条件が揃いまくっている。



「組み合わせるとしたら、どれがオススメ？」

「そうだなぁ……春らしさを出すならチューリップかラナンキュラスかな。スイートピーを目立たせたいならかすみ草」



端っこにひっそりと佇む白い花を手に取った。



「他と比べて控えめだけど、けっこう可愛いでしょ？　花言葉もピッタリだし」

「花言葉？　どんな意味なんだ？」

「感謝。ちなみにスイートピーは門出で……」



1つ1つ指を差して教える。


バラは愛、ガーベラは希望、ラナンキュラスは魅力。だったような気がする。

色によって細かく分かれるらしいけど、初心者なので全体的な意味だけにしておいた。