帰りのバスでも、とにかく気まずかったのだが、

「ねぇ。その服なら返品できるし、それを買ったお金は、園田自身のために使って?」

青山に言われ、惨めで仕方ないものの、

「そうするよ」

彼女の顔を見られないままに答えた。

そして、

「じゃあね」

青山は、少し無理をしたような笑顔でそう言うと、いつものように颯爽と歩いていった。

逃した魚は大きい?

否、本当に、失くしてはいけない人だったと思う…。