終わった……私、確実に終わった……。

目に涙が浮かぶ中……周りの反応は、思いの外違った。


「え、何この子可愛いー!」

「本当だ、ちっちゃい可愛い!」

「えっ?」


……コイツといるせいか、周りの女子のスタイルがいいせいか……ものすごく小さいわけでもないのに、可愛いと言われてしまった。


「お名前は?」

「え、えっと、桃瀬陽菜です……」

「えー!名前も可愛いんだけど!」

「お友達になろー!」

「えええっ……!?」


そのまま女子たちにされるがままに連れていかれ……思いの外、チヤホヤされてしまった。


いじめられるよりは全然マシで、どこかホッとしている私がいた。


顔を真っ赤にしているアイツのことなんて知らずに。