どれからイオリがひどい目にあっていたって、呪いなんて存在しないと。


だからランはそれを話半分に聞き流した。


ただイオリが自殺してしまうかもしれないという懸念があったため、念の為に自分の両親に相談をした。


両親がイオリの両親に連絡を取るまではよかったが、そのときすでにイオリは家を出ていなかったらしい。


時刻は夜の10時頃だった。


女子高生が1人で出歩くには危険な時間だ。


イオリの両親とランの両親は手分けをしてイオリを探した。


ランも一緒に探しに行きたかったけれど、危ないからと家に残された。


その間、ランは何度もイオリに連絡を取ろうとしたのだが、結局電話がつながることもメッセージに既読がつくこともなかった。


学校でイオリの死体が発見されたのは、それから1時間後のことだったらしい。


イオリはわざわざ夜の校舎に忍び込んで、自分のクラスから飛び降り自殺をした。


それが意味していることは、もう聞かなくても理解できた。


「イオリは死んで、イジメも消えて、それで終わりだと思ったの。でも違った。イオリが言っていた呪いは本当に出現したの」


それが今年に入ってからだと言う。


それまでは平穏に暮らしていたクラスメートたちのもとに突然死体写真が送られてくるようになった。