キヨトくんたちは本当に殺人鬼が潜んでいるかは分からないと言っていたけれど、この様子を見れば実際に何かが起こっていることは確かみたいだ。

 じゃなきゃ、あんな風に怒鳴ってまで叱られることなんてないだろうし。

 まだ開いている店はちらほらあるけれど、店じまいするところも多いせいか繁華街だというのに少し暗い。

 これは、本当に早く鞄を見つけないと。

 私はしらみつぶしに飲み屋の裏を探すことはいったんやめて、明らかに居酒屋といった店構えの裏を集中的に探すことにした。


 どんどん暗さが増してきて、焦りも比例するように増していく。

 流石に本格的に泣きたくなってきたころ、入り込んだ居酒屋の裏で他に人影を見つけた。

 もうかなり暗くなっていたからよく見えなかったけれど、何かうずくまっている様に見える。