それだけでも驚きだというのに、大橋さんは更に驚くことを口にした。


「そしてこれは真理愛の血の結晶だ。この気配、間違えようがない」

「え?」


 気配なんて、私には分からない。

 だから、大橋さんの言葉が正しいのかどうかも判断できない。

 何より、これは真人さんから貰ったものだ。

 なのにどうして真理愛さんの血の結晶になるのか。


 真人さんと真理愛さんに、どういった関係が?

 答えの出せない疑問ばかりが湧いてきて、私の頭の中はオーバーヒートしかけている気がする。

 もう本当に、何を考えればいいのか分からない。


「恋華さん。君に吸血鬼の血を入れたのは、真理愛なんじゃないのかな?」

「え……?」

「ああ、知らないと言っていたね。でも、無関係ではないということだ」

「っ⁉」


 大橋さんの目が暗い光を帯び、私を見つめる。