「何ニヤニヤしてるんだ?」

「へ⁉ ニヤニヤって」

「楽しそうな顔してた」


 櫂人はフッと笑いながら、早くも準備が出来たのかお皿を二枚カウンター部分に置いた。

 ミートスパゲッティだ。


「テーブルに置いといてくれ。今スープも出来る」

「うん、分かった」


 言われた通りお皿を置きながら、やっぱりこういうのいいなぁと思った。

 今度は指摘されなくてもニヤニヤしてるって自分でも分かる。

 スープを持ってきた櫂人も私の向かい側に座って、お互いに「いただきます」と食べ始めた。

 そうして二人でお腹を満たしていると、ふと思う。


「そう言えば、吸血鬼も普通の食事するんだね?」


 思えば太陽の下も平気だったし、伝説とかの吸血鬼とは違うんだろうか?