聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

「自分だけ仲間外れされてるって感じて、寂しくなったのかな」

「かもね。サークルでも最初から最後までずっと誰かと話してるし。それか、直接誕生日をお祝いしたかったから、とか」



トクンと、胸が高鳴るのを感じた。


『実は今日、誕生日なんだよね』


去年のキャンプ1日目の夜。肝試しの道中で恐怖を紛らわすつもりで何気なく口にしただけなのに。覚えてくれてたんだ。



「ところでさ、プレゼントは何買ったの?」

「パンだよ。奢るからいくらでも好きなの選びなーって。辛そうなパンばっかり取ってた」

「金子らしいな。前田さんは買わなかったの?」

「買ったよ。メロンパンと袋入りの小さいロールパンを買った。お兄ちゃんと分けて食べたんだけど、値段言ったら絶句してて〜……」



昨晩の兄の様子を話していたら、調理室がある別棟に着いた。



「俺、トイレ行ってくるから、先行ってて」

「わかった」



清水くんを見送り、階段……ではなく、掲示板の前に歩を進める。