聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース





その週末、日曜日。バイト終わりに純次くんを連れ出し、デパートにやってきた。



「本当に、何個でもいいの?」

「うん! 遠慮せずじゃんじゃん取っていいよ!」



躊躇いがちに聞き返してくる彼の背中を押して、パン屋さんに入った。半ば強引にトレーとトングを渡し、店内を回らせる。


今日は純次くんの誕生日。

以前、『何か欲しい物ある?』と尋ねたら、『お金と車と可愛い彼女かなぁ〜』と欲望に忠実すぎる答えが返ってきたため、パンを奢ることにした。


欲望リストに1つも引っかかっていないが、私なりに寄り添ったつもり。というかこれが精いっぱい。

まぁでも、大人デビューを好きな味で満たされたお腹で迎えるのも、のちのち思い出になりそうじゃない? いい思い出になるか悪い思い出になるかは、翌日の胃腸状態によるけれど……。


ついでに自分もトレーとトングを取って、店内を物色する。


このデパートには何回か訪れたことはあるものの、飲食店に入るのは初めて。

メロンパン、クリームパン、クロワッサン。種類は地元のパン屋さんとほぼ同じ。違うところは価格が1ではなく2から始まるところくらい。