聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

「清水くんは、お祭りは好き?」

「うん。毎年家族で行ってたし、花火もお盆の時期に従兄弟たちとやってた。線香花火で誰が長く残れるか勝負してたよ」

「線香花火いいよね! 私もよく兄妹でやってたな〜」



実家の駐車場で輪になって戦ったのを思い出す。


花火、地元にいた頃は毎年観に行ってたっけ。

幼稚園から小学生時代は家族全員で。中高時代は暁子と2人で。

回るルートも決まってて、まずは射的やヨーヨー釣り、輪投げなどのゲームに没頭。開始30分前になったら屋台で食べ物を購入して、会場入り。腹ごしらえしながら待機するのが定番の過ごし方だった。



「「良かったら、い……えっ」」



声がハモり、反射的に顔を合わせた。

横を向いたタイミングも、最後の感嘆詞までもが同じで、思わずふふふっと笑みをこぼす。



「清水くん、先いいよ」

「じゃあ……良かったら、一緒に行かない? 今年はキャンプも短縮されるし、あまり遠出もできないしさ。自習活動、ってことで」