聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

にこやかに挨拶してくれた彼にペコッと頭を下げた。


パーマヘア? ウェーブヘア? 去年見たドラマに出ていた俳優さんに似た髪型で、シンプルな制服も相まってか洗練された印象を受けた。

彼もかつて、数少ない男性部員の1人だったのかな。だから異性に囲まれても動じないのか。


「さ、どうぞ」と案内されてテーブル席に着席。荷物を足元のかごに入れていると、チリンチリンとベルの音が聞こえた。



「「こんばんは〜」」

「あ、きょうちゃん。ななちゃん。と……清水くん、だっけ?」

「はい。こんばんは。今日はよろしくお願いします」



聞き覚えのある名前と声。振り向いたら、入口のドアの前に、2年の先輩たちに交じって黒縁眼鏡の彼が立っていた。

居酒屋の時は落ち着いた色合いの服装だったが、今回はサークルの雰囲気に合わせてか、淡いブルーのシャツを羽織っている。


まさか、また会うなんて。どうする? 声かける?

でも覚えてるかなぁ。新入生だけでも20人以上いたし、席も離れてたし。


話しかけようか、やめておこうか。迷っている間にも、岸元さんに案内された彼がどんどん近づいてくる。



「あ、あの……」