聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

新緑の季節から梅雨の季節へと移り変わった6月。



「あ! 花火!」

「へぇ、今年もあるんだ」



サークル活動のアジサイ観賞を終えた帰り道。

雨宿りをしようと地下街に下りたら、壁に貼られた1枚のポスターが目についた。


『第20回 〇〇市納涼花火大会』


日付も文字も、カラフルかつ太いフォント。

節目の年だからか、昨年より打ち上がる本数が多く、写真の花火も背景の黒を覆い尽くすほど大きい。



「キャンプ2日目か。8時半からなら大丈夫そうだな」

「だね。ステージイベントも、急いで準備すれば観れそう」



清水くんと一緒に詳細を確認する。

去年も同じ場所で開催されたのだが、キャンプの日とかぶってしまい、行けなかった。


解散時間と支度時間、会場までの道のりを考えると、晩ご飯を食べてからでも余裕で間に合うスケジュール。

ただ、電車もバスも混雑するのは確実なので、遅くても1時間前には到着しておきたいところ。