聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

「じゃ、また来月。気をつけてね」

「うん。いつもありがとう。またね」



手を振り合って別れ、住宅街に入る。

外灯を頼りに急ぎ足で歩を進めていると、アパートの前に細長い人影を見つけた。



「ただいま」

「おかえり。遅かったな。長引いたの?」

「ちょっと。人数も多かったから、お店出るのに時間かかって」



あと友達と一緒に帰ってたから。と心の中で付け足して、部屋着姿の兄と2人で階段を上る。



「良かった。あと5分遅かったら交番に行くとこだった」

「心配かけてごめんね」

「お酒飲まされなかったか?」

「大丈夫。お茶とジュースしか飲んどらんよ」

「変な奴に絡まれたりとかもないか?」

「うん。和やかムードだったし。喧嘩も言い合いもなかったから」



笑顔で答えつつも内心溜め息をつく。


どんなに気心の知れた相手でも、頑なに家まで送らせない理由がこれ。

外出する際は毎回行き先を伝えているのだが、帰宅予定時刻を1分でも過ぎると、先ほどのように外で待ち構えている。