聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

「ところでさ、お兄さんって、朝ランニングしてる?」

「うん。休日は、雨の日以外はやってるよ。もしかして見かけた?」

「あの辺り、お散歩コースだから。黒いキャップかぶって、お肉タオルを首にかけてるよね?」

「かけてる。ならお兄ちゃんで確定だ」



横断歩道のボタンを押し、信号が変わるのを待つ。


清水くんとはご近所さんだと判明した半年前から、時折一緒に帰っている。

サークルがある月曜日と木曜日の週2日。合わせて40分弱。

会話の内容は学校関連のことと世間話が多いが、長期休み明けは家族の話をしている。


そこで知ったのは、清水くんは動物が好きだということ。


ゾウやキリンといった大きい動物から、うさぎ、リス、鳥、爬虫類といった小動物まで。スタンプの図案で描いたハムスターも、昔飼っていたペットをモデルにしたのだそう。

現在は伯父さん一家の愛犬のお世話を喜んでやっているらしい。



「結構すれ違ってる?」

「そうだね。2日続けて見かける時もあるから。毎回ワンちゃんチラ見してる」

「あぁ、やっぱり。話しかけられた?」

「うん。ちょうど今みたいに、信号待ち中に『可愛いですね〜』って」