聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

その場を後にして、受付に足を運ぶ。



「こう見ると偏りがあるね。赤と緑が密集してる」

「自然と動物って、思いつきやすいもんね」



スタンプの絵柄は、全6種類。

全員のデザインを種類別に分け、それぞれの絵の中から一部分を抜粋し、合わせた形となった。

私と清水くんは動物を描いたので、同じ枠の中に収まっている。



「清水くん、絵上手だよね。おめめくりくりで可愛い」

「ありがとう。前田さんのは、このお猿さんだっけ? 木に掴まってる」

「うん。ワンちゃんとか猫ちゃんは人気だから、あえて外したんだよね」

「他の人とかぶりそうだもんな。可愛くできてるよ」

「そう? ありがとう〜」



笑顔を浮かべる裏で、後ろめたい気持ちが募る。

彼が描いたハムスターの隣には、木に掴まる大きな耳の生き物。

サークルメンバーには猿だと認識されているが、本当はコアラのつもりで描いた。


絵心が皆無なのは昔から自覚していたから、今更傷つくとかないんだけどね。美術も最高で3しか取ったことないし。

真実を明かしたら気まずい空気になるのは目に見えていたので、愛想笑いでやり過ごしたのだった。