聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

まかないを食べながら睨みつけ、チラシを渡す。


男性並みの背丈に、目鼻立ちハッキリな顔と、骨ばった体型。服装は、主にTシャツとデニムパンツ。

部屋着は新しく買い替えたものの、秋に入ってからはほぼ毎日高校時代の体操ジャージを着用している。


客観的に見ても、チラシに載っている女の子たちとは程遠い容姿。話したところで絶対一発では信じないだろうなと予想はついていた。

意外だと感じてもなんらおかしくはないけど、そんなに問い詰めないでほしい。私だって一応女なんだから。



「出るの?」

「うーん。出たくないわけじゃないんだけど……」

「あんま乗り気じゃない?」

「というより、なんで私なのかなぁって」



体育祭、文化祭、合唱コンクール、発表会。

小さい頃から人一倍張り切って参加していた私にとって、今回の勧誘は非常に興味をそそられた。

だが、勧められた理由が曖昧なため、なかなか応募に踏み切れない状況だ。



「イベント好きだから、協力したい気持ちは山々なんだけど、私が出ていい場所じゃないというか」

「ああいうのは私みたいなゴツい人間じゃなくて、華奢でオシャレな子が出る場所だから、みたいな?」

「そうそう」