聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

待つこと20分。自分たちの順番が回ってきた。帰宅組と待機組に見送られ、階段へと向かう。



「うわぁ……暗いね」

「これは手すりに掴まったほうが良さそうだね」



1段上るごとに暗くなる足場。施設の人が言うには、踊り場の電気以外は全て消しているとのこと。

縦1列に並び、足を踏み外さないよう慎重に上る。



「あっ、自販機ってあれかな?」

「そうみたいだね」



2階の廊下に出ると、不気味に佇む自動販売機を見つけた。

周囲を警戒しつつゆっくり進み、部長から預かった小銭を機械に投入。

赤く光るボタンを押した、その時。



「「ギャァァァーー!!」」



ガコンとペットボトルが出てきたのと同時に、上の階から叫び声が聞こえた。



「今のって……」

「多分、前の順番の人たちじゃないかな」