聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

マイクを持った部長が気まずい表情で口を開く。


雨は止んだものの、空は曇ったまま。

雲の隙間からポツリポツリと見えている状態で、月も薄雲に隠れてぼんやりとしか見えない。

まぁ、こればかりは人間の手でどうにもできないからな。


すると突如、副部長が部長からマイクを奪い取った。



「お開きするには早いので、代わりに肝試しをしたいと思いまーす!」

「はぁー!? 肝試し!?」

「どこでやるの。外? 中?」

「まさか、心霊スポットじゃ……!?」



広場にどよめきが起こる。

興奮する声、戸惑う声。自分の口からは「えっ……」と不安の声が漏れ出た。



「皆さまご安心ください! 室内です! 施設の中で行います!」

「実は、晩ご飯の後、施設の人に相談しまして……」



部長が付け足すけれど、不安は大きくなるばかり。


外だろうが中だろうが、結局暗闇の中を歩き回るわけだよな?

ホラーが苦手とか、視える体質の人だっているかもしれないのに。施設に許可を取る以前に、まずは部員に相談すべきだろ。

どこまでも自由勝手な彼にまたしても苛立ちが募る。