聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

「昔から料理やってたの?」

「いや。料理は自分からやったことはほとんどなくて。どちらかというと手伝わされてたほう」

「あれやってー、これやってー、みたいな?」

「うん。野菜切ったり、鍋混ぜたり。時間がある時は下準備もやってた」



小学校の教員だった母の影響で、毎年夏休みと春休みは毎日キッチンに立たされていた。

バレンタインの時期が来ると、姉と妹がお菓子作りの練習をするため、よく味見をさせられては感想を求められていたっけ。

今年は年末年始しか帰省しないから、お母さんかお父さんに頼むんだろうな。



「家族思いだね〜」

「いやいや。こき使われてるだけだから。仲はいいほうではあるけれど」

「それでもなんだかんだ付き合ってあげてるんでしょう? 優しくて器用で頭も良くて、自慢の息子さんだよ。清水くんと結婚する人は幸せだね〜」



グシャッ。危うく米を握りつぶすところだった。


『いいパパになりそう』『いい主夫になりそう』


成長期のピークが過ぎ、今の背丈にたどり着いた高校時代。

見た目について言及され続けてきたそれまでとは打って変わり、将来を期待する内容の褒め言葉をもらうようになった。