聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

屈託のない笑顔でサラリと言ってのけた前田さん。


大勢の前で、手伝いを買って出る。

媚売ってる? 株を上げようと目論んでる?

自分のような捻くれ者なら、冷ややかな目で見てしまう人もいるのではないだろうか。相手が異性ならなおさら特に。


だが、彼女からは、そういった計算高さを感じない。


ぎこちないながらも真剣な表情で研ぐあたり、きっと純粋な善意から出た言葉なんだろうな。

猫をかぶってる可能性も全くないとは言い切れないけど、少なくとも、後ろのおしゃべり集団よりかは視野は広いと思う。


釜を回しながら米を研いでいると、隣から視線を感じた。



「清水くん、洗うの上手いね」

「えっ。そうかな」

「そうだよ! じゃなきゃそんなリズムよく回せないって!」



強調するように返答した彼女が「ちょっと見てもいい?」と手元を覗き込む。

話を聞くと、家ではパックご飯を使っており、米を研ぐのは中学の調理実習ぶりだという。