聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

振り向いたら、案の定ボウルには野菜がてんこ盛りだった。タマネギに至ってはまだ皮さえ剥かれていない。


元舞台子役のサラブレッドか。

そう言われれば、滑舌良かったし、声量もあったし。ガイドの時も1音1音ハッキリ発していて、とても聞き取りやすかった。

だが今は、心なしか声色に焦りと苛立ちを感じる。


料理に関連することならまだしも、ほぼ私語だもんな。

後輩がいる手前、怒鳴りはしなさそうだけど、あの太い声で大声出されたらたまったもんじゃないぞ。

これ以上彼の神経を逆撫でしないよう、早急に作業を進める。



「部長! 薪割り終わりました〜!」



鈴の音のような、清らかで澄んだ声が響いた。

肉柄のタオルを首にかけた彼女が炊事場に入ってくる。



「ありがとう! 早いね、もう終わったんだ」

「はいっ。雲行きが怪しくなってきたので、降る前に終わらせようって、急ぎ足で進めました」



ニンジンを切りながら聞き耳を立てる。

どうやら今はキャンプファイヤー用の薪を割っているらしい。