聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

しかし……有意義な時間を過ごせたのは、ほんのつかの間だった。



「ええー! 俳優さんだったんですか!?」

「うん。小さい頃、劇団に入っててね」

「じゃあやっぱ歌とかも上手いんですか?」

「上手いよー。昔よくこいつとカラオケ行ってたんだけど、毎回90点以上出してたんだよ」

「90点!? めちゃくちゃお上手じゃないですか〜!」

「かっこいい〜!」

「いやいやそんな。キーが合う曲を選んでるだけだよ」



午後4時半。部長を称賛する声に眉をひそめながら、ニンジンを乱切りにする。

今晩の夕食は、キャンプの定番料理、カレー。

薪をくべる班とカレーを作る班、二手に分かれて作業を進めているところなのだが、うるさくて集中できない。



「ほんと、遺伝子強いよなー。何気に顔も整ってるし。さすが芸能一家」

「えっ、一家って……」

「ご家族も芸能人なんですか!?」

「うん。実は、ね。酒井、それ切ったら次じゃがいもの芽取って」