聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

悶々と考え込んでいたら、声をかけられた。

振り向くと、リュックをからった清水くんが立っていた。



「良かった、人違いじゃなかった。誰かと待ち合わせ?」

「ううん! お昼ご飯、何食べようかな〜って考えてたとこ! 清水くんは、お昼休み?」

「うん。俺も今からご飯食べに行くところ」

「そうなんだ。美味しそうなお店がいっぱいあって悩むよね〜。あははは〜」



わざとらしく笑い声を上げる。


よりによってこのタイミングで遭遇するなんて。

突っ立ってたのはお財布と相談してたからって言ったら、絶対笑われるよね……。

大丈夫。目は凝らしてたけど、遠巻きだからバレてない、はず。



「ここはよく来るの?」

「うん。従兄弟のお兄さんがこの近くで働いてて。一緒にお昼ご飯食べたり、買い物に行ったりしてるんだ」

「仲良しなんだね〜。何食べることが多い?」

「そうだなぁ、休日は和食で、平日は麺類が多いかも。反対側にラーメン屋があるんだけど、値段が手ごろでね……」

「へぇ……」