聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

ゆっくりと色を変える巨大ツリーを眺める。

初来場からおよそ30年。当時よりも少し高さが増し、色も2色から5色へと増加した。



「進市くん」

「えっ。な、何?」

「呼んだだけ」



戸惑い気味に尋ね返したら、ふふふっといたずらっ子みたいな笑顔で返された。

彼女から妻、母親になっても、お茶目な性格は変わらずそのまま。



「照未ちゃん」

「ん?」

「……ありがとう」



仕返ししようと思ったけれど、面食らわせてみた。


ありがとう。君のおかげで、行きつけの神社ができたよ。

常連客になったお店も増えて、念願だった愛犬も迎え入れることができた。


全てはあの日──君が勇気を出して誘ってくれて、想いを伝えてくれたから。



「手でもつなぐ?」

「えええ。でも、ここ外だし……」



なんて口ごもりながらも、手を差し出してきた。

口では遠慮しつつも、行動は素直なところが、彼女の可愛いところ。


交際30年は、ステーキに加えてワインも一緒に頼んでみようか。

キューピッドになってくれた純次には、とびきり辛いワインを奢ろう。


手をつないだら、ツリーの色が変わった。


一瞬で目が覚めるような金色。会場のあちらこちらから恍惚の歓声が上がる。


あと何回この光景を見られるか、何年一緒にいられるかはわからないけど。

還暦を迎えても、孫が生まれて祖父母になっても、寿命が尽きる最後の最後まで、君と2人で笑っていたい。


顔を合わせて微笑み合い、金色に輝く祝福のシャワーを浴びたのだった。



END