聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

水曜日の昼下がり。

2限目が終わるやいなや、手早く荷物をまとめて講義室を出た。人混みをかき分けて階段を駆け下りる。


基本的に平日は午後も授業を入れているのだが、休息日の水曜は午前の2コマのみ。

バイトもサークルもお休みなので、午後からは完全に自由時間となっている。



『バイトもサークルもするなら、必ずどこかに半休の日を作れ』

『お前が思ってるより、90分は長い』

『単位も大事だけど、休むことも大事だ』



掲示板に貼られたポスターを目にした途端、血眼で助言する兄の顔が脳内に浮かんだ。


はじめはお説教ばりにしつこくてうんざりしていたけれど、今となっては心から感謝している。

学校は違えど、経験者だもんね。今後も行き詰まったら素直に助けを求めようと思う。


サークルの活動報告を流し読みして校舎を後にし、正門へと向かう。


休息日の過ごし方は、天気によってバラバラ。

晴れの日は公園でお昼ご飯を食べたり、ウィンドウショッピングをしたりと娯楽が中心で、雨の日は直帰が多め。

曇りの日の今日は──。



「あっ、あれかな?」