聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

釘付けになっていたら、隣から了承する声が聞こえた。



「俺も、今の気持ち伝えていいかな」

「は、はいっ。どうぞ」



慌てて体ごと横を向く。すると清水くんは、一呼吸置いておもむろに口を開いた。



「最初は前田さんのこと、強運体質で、太陽みたいな人だなって思ってた」

「強運!? まぁ、確かに引きが強いとは言われるけど……」

「あと、純粋で、健気で、明るくて優しくて。でもちょっぴり泣き虫で」



出会った頃からこれまでを回想するように言葉を紡ぎ始めた清水くん。

自覚はしていたけれど、いざこうやって並べられると、何から何まで正反対。仲良くなったことが奇跡だと感じる。



「大切な存在だからこそ、離れなくちゃいけないと思ってた。前田さんの行く道……前田さんが選ぶ人生を尊重するべきだって。本当は、会うのも今日で最後にするつもりだった。でも……」



両手をそっとすくい取られる。



「そう言い聞かせればするほど、頭から離れなくて。距離を置こうとすればするほど、胸が張り裂けそうになって、苦しかった」



彼の手に力がこもり、優しく握られた。

手と手が触れ合うのは2度目ましての日以来。

あの日はほんのりとした温かさだったけれど……今は、私を丸ごと包み込んでくれているような、安心感のある温かさ。



「友達になってくれてありがとう。僕も、前田さんが好きです」

「私のほうこそ……! 清水くんと友達になれて……出会えて良かった」



微笑み合い、手をつないだまま、再び前を向く。

春が来て、また会えない日々が続いても、きっと大丈夫。

だって、こんなにも輝かしい祝福の光が私たちを照らしているのだから──。