聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

ネチネチガミガミ。今年5回目のお説教が始まった。


気を遣わないといけなくなるから。友達を呼びづらくなるから。

同居を嫌がった理由は多々あるが、1番の理由は、私がだらしないから。


お兄ちゃんは、『てるのために言ってるんだぞ』って私が恥をかかないように叱っているけれど……。



「その服も。人目がないからって、ヨレヨレのやつを着るな」

「……そっちだって先週、靴下脱ぎ散らかしてたくせに」

「あぁ? なんか言ったか?」

「いちいちせからしいなーって。パンツ一丁じゃないんだから、そんなにはらかかんでも……」

「お前の場合は恥じらいがないんだよ。くつろぐなとは言わねーから、もう少し足を閉じろ」



今度は座り方を注意された。

あぐらぐらいいいじゃないか。実家でも普通にやってたんだし。

私のためとか言っておきながら、本当は自分が恥ずかしい思いをしたくないだけなんじゃないの?



「あと、言葉遣いも気をつけ……」

「はいはいすみませんでした。以後気をつけます。お風呂出来たみたいだから先入るねー」



こういう時は、自覚がある部分だけ反省して、残りは聞き流すのが1番。一語一句まともに聞いてたら夜中になってしまうよ。

下着を奪い取り、荷物を持って自室に逃げたのだった。