聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

指を差して丁寧に説明する純次くん。とりあえず興味を惹かれたトッポッキからいただくことに。

菜箸を使い、大皿から小皿へ。箸で1つ摘み、息を吹きかけて少し冷ましたのち口に運ぶ。



「どう?」

「結構歯ごたえあるね。ソースも美味しい〜。美味しいは何て言うの?」

「マシッソヨだよ」



キッチンに向かって「マシッソヨ〜」と伝えると、店主のおじさんが「カムサハムニダ〜♪」と弾んだ声で返してきた。


料理人冥利に尽きますと言わんばかりの、幸福感に満ちた笑顔。黙々と夢中で食べるのもいいけど、一言でも感想が来ると嬉しいよね。

昔はレジで『ごちそうさまでした』としか言ってこなかったが、飲食店で働き始めてからはなるべく感想を残すようにしている。



「それで、話したいことがあったんだよね?」

「あぁ、うん」



いけないいけない。絶品料理に気を取られて危うく忘れるところだった。

口の中を空にし、箸を置いて話を切り出す。



「いきなりだけどさ、純次くんは、女の子を抱きしめたことある?」