聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

採用連絡を受けてからは、また忙しい日常が戻ってきた。


内定式を終えた清水くんは、毎週バイトに励みながら入社への準備を進める日々。

対する私は、採用連絡を受けた次の週に入社。学生なのでアルバイト雇用だが、卒業後は正社員に昇格してくれるとのこと。

手厚い待遇に感動して、その夜、少し泣いたのはここだけの秘密だ。



「──内定チュッカヘヨ〜」

「カムサハムニダ〜」



11月初旬。ランチタイムを少し過ぎた午後2時。

韓国料理店の2人掛けの席にて、純次くんから1切れサイズのショートケーキを受け取った。


先日、学校で再び遭遇し、就職先が決まったことを伝えたら『お祝いするよ』と招いてくれたのだ。



「さ、食べよ食べよ」



向かい側に座った純次くん。今日は店員ではなく一般客としての来店なので私服を着ている。ちなみにケーキは自腹で購入したらしい。

料理が揃ったところで手を合わせ、「チャルモッケスムニダ〜」と教えてもらった韓国語で挨拶した。



「どれも美味しそうな色してるね〜。これキムチ?」

「うん。こっちがヤンニョムチキンで、これがキンパっていう韓国式ののり巻き」

「へぇ〜。韓国にものり巻きあるんだ〜。これは?」

「トッポッキ。甘辛いソースで煮たお餅だよ」