聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

肩をすぼめたまま自己紹介し、来店理由も伝えた。今のセリフだと、やけ食いしに来たのではと心配を与えかねないと思ったから。

初対面の人には少々重々しい内容だったのにも関わらず、純子さんは穏やかな表情でうんうんと頷いている。



「なので、決して、暴飲暴食をしに来たわけではないので……ほんと、すみません」

「ううん、いいのよ。仕事探してるなら、うちのお店受けてみる?」



パチパチ、とまばたきを繰り返す。



「うちって……ここの、レストランですか?」

「うん。私、来年引っ越すことになってて。できれば新しい人手を探しといてって言われててね」

「でも、まだ半年以上あるよね?」

「そうなんだけど、今年いっぱいで辞めることになったの。新しい家族ができたからさ。色々と準備しないといけないし」



そう微笑んだ純子さんが、愛おしそうに自身のお腹を擦った。



「前田さんさえ良ければ、店長に話しておくけど……」

「はいっ! ぜひ、お願いします……っ!」



迷わず即答した。

ふと舞い降りたチャンス。掴まない選択肢はなく、すがる思いで引き受けた。