聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

寂しそうに話した清水くんの目が、地面へと向けられる。


初めて2人で外食した穴場のラーメン屋さん。

毎年の歓迎会と就活座談会でお世話になった岸元さんのレストラン。


不景気に負けじと踏ん張っていたが、純次くんのお店と同じ道をたどらざるを得なくなってしまった。


苦しみの種類は違えど、現在、この国に住む人間の多くが自身の人生について悩み苦しんでいる。

そう思うと、辛いのは私だけではないのだと心強さを感じると同時に、これから先どうなっていくんだろうかと漠然と不安が募る。

どうか1日でも早く霧が晴れてほしいと願うばかりだ。


すると、「あ、でも……」と思い出したような口調で清水くんが呟いた。



「あそこなら、まだ開いてると思う。確か、滝田先輩行きつけの……」

「ステーキレストラン、だっけ?」

「そう。こないだバイトでそこの近くに行ったんだけど、お客さん結構いたから」



赤い屋根の、大通りにある建物。心の拠り所が次々と消えていく中での、唯一の灯火。

あの時で開店5年だと話していたから、今年で8年を迎えるのか。