聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

「ごめんなさい」と自分も深々と頭を下げる。


火曜日の午前10時半過ぎ。先月に比べて蒸し暑さは弱まりつつあるが、雲がないため直射日光が照りつけている。


暑い中早起きして、わざわざ家の近くまで来てくれて。ごめんなさいの一言では足りないくらいだ。



「あの後、自分なりに考えたんだけど、今の前田さんには、少し息抜きが必要だと思う」

「……いいのかな。休んでも」

「うん。ずっと走ってたら疲れちゃうだろうし。丸1日じゃなくても、1時間2時間とかでもいいからさ」



穏やかな顔で提案に至った説明をする清水くん。


言われてみたら、春からずっと奮闘し続けてきた。

朝昼夜。食事とお風呂、トイレ以外は部屋にこもっていて、外に出るのは買い出しと学校に行く日だけ。ショッピングモールで遭遇した日も、就職課を訪れた後だった。


受験の時期も勉強に奮闘していたけど、毎晩寝る前の30分間は、好きな本を読んだり、ホットミルクを飲んだりしてゆったり過ごしていたっけ。



「1番は好きな物に触れることだけど、思いつかないなら美味しい物を食べるとか」

「お肉とか……?」

「うん。あとラーメンとか、パスタとか。……あそこも閉まっちゃったから、行くなら他を探さないとだけど」