聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

グサリ。響きは可愛らしいのに、胸をえぐられた。



「み、3つも……」

「といっても1つは補欠合格だから、実質2つなんだけどね。志願者も少なかったみたいだし」



「運が良かったんだ」と謙遜する清水くん。

確かに、応募者が少ない=ライバルが少ないことになるから、採用される確率は上がる。

だけど、運だけであの長く狭き門を突破することは不可能だ。ましてや3回も。



「すごいね」

「いやいやそんな。俺より多くもらってる人もいるし」

「それでもすごいよ。立派だよ。私なんて全然、ボロ負けだし……」



視線が、端整な顔から、華奢な体、長い脚、歩道へと落ちていく。



「清水くんは、優秀だね。私と大違い」

「いや、そんなことはないよ。俺も、第一志望は書類落ちだったし。希望してた職種は全滅だったし」

「でも……」

「そりゃあ早く決まったほうが安心はするけど、合わなかったから意味ないしさ」

「……」

「俺だって山ほど落ちてきたんだから。あまり気にしないほうがいいよ」