聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

苦渋の決断だったらしい。この春いっぱいで休業すると打ち明けてくれた時の彼の顔は、今もなお脳裏に焼きついている。


遭遇した時も、私に気づくまで瞳に光が灯っていなかったからな。頬も痩せこけてたし。

内定はもらっていると聞いたのでそこは一安心だが、彼の健康状態が気がかりだ。

そういう私も人の心配をしている場合じゃないのだけれど。



「清水くんは、今も時々バイトしてるんだよね? そういう仕事はどこで手に入れてるの?」

「伯父さんが派遣の会社に勤めてて、時々紹介してくれるんだ。最初はコンビニかスーパーに応募しようかと思ったんだけど、長時間拘束されるよりかは隙間時間で働きたいなと思って」

「そうなんだ。ティッシュ配り以外には何があるの?」

「ライブ会場のグッズ販売とか、試食販売とか。事務の仕事もあるって言ってたよ」

「へぇ〜、色々あるんだね〜」



相づちを打ちながら、脳内のメモ帳に書き記す。


派遣社員か。正社員の求人しか見てなかったから全然頭によぎらなかった。

正社員と比べたら安心感は劣るらしいが、このご時世、別の選択肢を視野に入れるのも1つの手なのかもしれない。



「ちなみに、だけどさ」

「ん?」

「清水くんは、内定ってもうもらってる……?」

「うん。ありがたいことに、3つ」