聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

──ピピッ、ピピッ、ピピピッ。



「んんっ……うるさ……」



枕元でけたたましい電子音が鳴り響き、目を閉じたまま顔をしかめた。

右手を頭部に伸ばし、手探りで目覚まし時計を止める。


5月初日。世間は大型連休の真っ只中。

毎年この時期はバイトは入れていないのでアラームをかける必要はないのだが、チャコちゃんの散歩に行くため、平日と同じ時間に起床している。


布団の中で全身をぐぐっと伸ばす。

眠気を飛ばした後は、洗面所で顔を洗い、軽く歯磨きをしてリビングへ向かうのが毎日のルーティンとなっている。


だが……。



「ううっ……」



全身が鉛になったのではと思った。


起き上がろうと両肘で布団を押してみるも、微動だにせず。

それどころか、力を込めるたびに頭に鈍痛が走って、横を向くことすらもできない。


諦めて仰向けになり、はぁー……と長い溜め息をつく。


──コンコンコン。