聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

「林くんが飲むつもりだったのはどれ?」

「これこれ。で、間違えて頼んだのがこれ。な? 似てるだろ?」

「そうかな。形は似てるけど画数違うし。ちゃんと見てたら間違えなさそうだけど」

「しょうがねーだろ。他の人と一緒に見てたんだから。清水は? 飲むなら頼もうか?」

「いい。麦と芋の区別すらつかないやつに任せるよりかは、自分の口で頼むほうが百倍安心だから」



ぶっきらぼうにそう返し、レバーを口に運んだ清水くん。チラッと林くんを見ると、案の定、口元が引きつっていた。



「お前……結構言ってくれんじゃねぇか」

「え? どこが」

「すんげー偉そうに言ってるけど、そういうお前は味わかんのかよ」

「ああ。これでも予習に、一通り飲んできたからな」



お座敷の小さな一角に、静かに火花の散る音が上がる。

緊迫した空気を察知して慌てて間に入ろうとしたら、「失礼しまーす」とタイミング良く店員さんがやってきた。



「他にご注文はありますかー?」



店員さんの問いかけに、両隣の男子2人が「はい」と声を合わせて手を挙げた。

──嫌な予感がした。



「焼酎を全種類、1つずつください!」

「僕も同じく、焼酎をそれぞれ1杯ずつお願いします」