聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

一体、何が起きているんだ。

ほんのついさっきまで、まともに受け答えできないくらい笑い崩れていたのに。


あまりの豹変っぷりに呆気に取られていると、清水くんは半分まで飲んだグラスをそっとテーブルに置いた。



「……これ、麦じゃないだろ」

「え、嘘っ」



眉根を寄せた彼が、飲んでみろよと言わんばかりに林くんにグラスを返却した。

どうやら麦焼酎ではなく芋焼酎だったらしい。



「うーわ、やらかした〜」

「ドンマイドンマイ! 誰だってミスすることくらいあるよ」

「優しいなぁ、前田ちゃんは。ほんとごめんね」

「ううん! 大丈夫! さっきの話だけど、明日バイトだから匂いだけ嗅がせてもらおうかな」



どさくさに紛れてやんわりと断ったら、すぐさま「りょーかい!」と元気な返事が来た。

その瞬間、全身を走っていた緊張が抜けて、小さく自嘲気味に笑みをこぼす。


あれでもないこれでもないと、ぐるぐるぐるぐる悩み込んだあげく、出てきた言葉がバイトって。落ち着いて考えれば瞬時に浮かびそうなのに。グラス2杯でこうも鈍るものなのか。

最後はワインで締めようと思ってたけど、次の注文でやめておこうかな。