聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

「新入生の皆さま、そして在校生の皆さま。本日はアウトドアサークル新入生歓迎会にお越しくださり、誠にありがとうございます」

「今日はお腹いっぱい食べて飲んで、思い切り笑って、とことん楽しんでいきましょう!」



居酒屋のだだっ広いお座敷の中心で、部長と副部長が高らかにグラスを掲げた。

向かい側と両隣から、「かんぱ〜い!」とグラスをぶつけ合う音が上がる。



「今年もこの季節が来たねぇ」

「早いね。こないだやっと衣替え完了したと思ってたのに」



「乾杯っ」と左隣に座る同級生と控えめにグラスをぶつけた。


4月最終日の午後6時半。アウトドアサークル行きつけの居酒屋にて、今年も新入生歓迎会が開かれた。


テーブルの上には、からあげや焼き鳥といった肉料理から、焼きそばにお好み焼きと、ハイカロリーな料理が所狭しと並んでおり、それぞれ香ばしい匂いを放っている。



「照未のそれ、お酒?」

「うん。晴恵(はるえ)のは……」

「ハイボール。最近ハマっててさ」

「早っ。もう飲んでんのかよ」

「いいでしょ別に。飲み放題なんだから」

(はやし)くんは何頼んだの?」

「レモンサワー。俺も最近ハマってるんだよね」

「そういうあんたも飲んでるじゃん」