聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

クリアファイルからルーズリーフを取り出した彼が、おもむろに口を開いた。



「俺は、お花に例えてみました」

「またまた可愛いやつきたー。俺は何?」

「金子はキンギョソウ。前田さんはひまわり。見た目と花言葉から連想してみた」



そう述べると、バッグから図鑑を出して、写真と一緒に説明してくれた。


春に咲くキンギョソウ。名前の由来は、花の形が金魚に似ていることから。

色の種類は多く、赤、白、黄色、ピンク、オレンジなど。

花言葉は、「おしゃべり」「おせっかい」「出しゃばり」と書かれている。



「色に関しては、高いコミュニケーション能力と器用さを当てはめた。日々色んなお客さんの相手してるし、包丁使いも上手いし」

「お、おう。サンキュー」

「花言葉はそのまま。いつも誰かとしゃべってるから。授業中は知らないけど」

「授業中は静かにしてるよ。ちなみに、おせっかいと出しゃばりっていうのは……」

「世話焼きなのと、グイグイ来るところから。俺がサンタの格好するって言った時めちゃくちゃしつこかったし」

「あぁ……そういうこと……」