聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

すると、「ああ〜、ポケベルのやつね」と思い出したような口ぶりで反応した。



「大丈夫だったよ。お兄ちゃんもまだ帰ってきてなかったから。ただ……」

「ただ……?」

「……怖がらせちゃったみたい。あのポケベル、彼女さんとしかやり取りしてなかったみたいで。メッセージは届いたんだけど、送信者がわからなくてビクビクしてたんだって」



気になって一睡もできなかったのだろう。翌朝、目の下にクマを作った顔で、『これ、もしかしててるが送った……?』と恐る恐る尋ねられたらしい。

お説教は免れた反面、逆に不安を与えてしまった。彼女側からしても、その場にいたのなら浮気を疑ってもおかしくはないだろうし。



「ごめん。俺が勝手なこと言ったせいで」

「いやいや! 元は私が怪我したのが発端だし。お兄ちゃんも、『優しい友達を持ったな』って清水くんのこと褒めてたから!」

「そう……? お兄さんたち、険悪になってない……?」

「うん! 彼女さんとも会って、自分の口からもちゃんと説明したから! 別れてないから大丈夫だよ!」



懸命にフォローする前田さん。

彼女のお兄さんとは、現在も休日の朝に時折すれ違っている。けど、まだ彼女との関係性は話していない。

前田さんも、お兄さんの不安を煽らないように、『友達と行く』とだけしか伝えていないと言っていた。