聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

「うん、実は。花火大会に着ていく浴衣を探してるって言ったら、『私でよければ選ぶの手伝うよ』って言ってくれて。恥ずかしいことに、俺、右前もわからなくてさ。着方から歩き方までスパルタで指導されて……」



苦い笑みを浮かべる清水くん。

あの日の真相と、彼女の言葉の意味が明らかとなり、胸に渦巻いていた謎のモヤモヤがすぅーっと消えていく。



「この浴衣も、『清水くんに着てもらうために生まれたと思う!』ってゴリ押しされて。気に入ってるから満足はしてるけど」

「相談ってそれのことだったんだね」

「うん。あ、先輩から話聞いたの?」

「それもあるけど……実は私も、その日デパートにいたんだよね」



純次くんへのプレゼントを買った帰りで見かけたことを話すと、案の定、目をまん丸にして驚いていた。



「なんだ、声かけてくれれば良かったのに」

「楽しそうに話してたから。てっきりデートなのかと思って。本当に、付き合ってはないんだよね?」

「ないよ。あの人、三度の飯より服が好きな人だから。そういう前田さんも、金子とは……」

「ないよ! お友達だよ!」



手と首を激しく横に振ると、「良かった」となぜか安堵した表情で笑った。

その笑顔に、なぜか私の胸もトクンと高鳴る。