聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

「どこに座ろうか。あんま奥は見つけにくそうだよね」

「そうだね。ならあの辺にする? 移動もしやすいし」



話し合った結果、出入口付近の席に座った。



「人多かったね〜。密集ってレベルじゃないくらい、うじゃうじゃだったね」

「ほんとほんと。確かにあの空間を何時間も歩くのは嫌になるよな」



お互いに苦笑いを浮かべる。


昔からイベント参加常連の私でも、規模がケタ違いだった。

屋台エリアどころか、臨時バスの時点で大混雑。まさに朝と夜の満員電車状態。

その上、蒸し暑い気温と、人の熱気、両側からは食欲をかき立てる匂いが延々と放たれていて。

着いてまだ30分も経っていないのに、鼻が麻痺するんじゃないかと思ったほど。



「大丈夫かなぁ……。行き倒れてたりしてないよね!?」

「心配だよな。近道は知ってるって言ってたから、避難してる可能性もあるけど……」



彼の安否が気になり、姿がないか周囲を見渡す。すると、浴衣を着た女子3人組が目に入った。

右は黒地に大判の花柄、左は薄ピンクに小花柄、真ん中は白地に黒の花柄。

それらは全て、見覚えのあるデザインだった。