まだ全員揃ってないみたいだし、始まってからにしよう。
そう決めたのも一瞬。彼の視線がふとこちらに向き、気づいたら声をかけていた。
弱々しい声量だったけれど、目が合ったのもあってか立ち止まってくれて。「はい?」と返答した彼が私の目の前にやってくる。
「見間違えだったらすみません。アウトドアサークルの歓迎会に来てました……?」
「はい。あ、もしかして、お肉タオルを当てた……」
「はい……っ! そうですっ!」
安心感と喜びで、声が若干上ずった。
良かった。勘違いじゃなかった。
「改めまして、教育学部1年の前田 照未です」
「国際学部1年の清水 進市です。こちらこそよろしくお願いします」
一旦落ち着いて、再度自己紹介。席を立ち、握手を交わす。
やや骨っぽさを感じる、薄く大きな手。
寒色系の身なりとは反し、手のひらにはほんのり温かさがあった。
タオルを当ててよかったな。あの時は無理やりポジティブに変換したけど、今なら心から思える。
景品を用意してくれた先輩たちに感謝したのだった。
そう決めたのも一瞬。彼の視線がふとこちらに向き、気づいたら声をかけていた。
弱々しい声量だったけれど、目が合ったのもあってか立ち止まってくれて。「はい?」と返答した彼が私の目の前にやってくる。
「見間違えだったらすみません。アウトドアサークルの歓迎会に来てました……?」
「はい。あ、もしかして、お肉タオルを当てた……」
「はい……っ! そうですっ!」
安心感と喜びで、声が若干上ずった。
良かった。勘違いじゃなかった。
「改めまして、教育学部1年の前田 照未です」
「国際学部1年の清水 進市です。こちらこそよろしくお願いします」
一旦落ち着いて、再度自己紹介。席を立ち、握手を交わす。
やや骨っぽさを感じる、薄く大きな手。
寒色系の身なりとは反し、手のひらにはほんのり温かさがあった。
タオルを当ててよかったな。あの時は無理やりポジティブに変換したけど、今なら心から思える。
景品を用意してくれた先輩たちに感謝したのだった。



