聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

「24! 24番でーす!」



居酒屋のだだっ広いお座敷に数字を連呼する男性の声が響いた。

あちこちから歓喜の声と落胆の声が上がる中、静かに手元のカードを確認し、次の番号を待つ。



「続いては……49番!」

「また外れかー」

「よっしゃ! リーチ!」

「俺もリーチきた!」

「いいなぁ。こっちはまだリーチにもなってないよ」

「そろそろ1つくらいは当たってほしいよねー」



喜びと悔しさを丸出しにする先輩たち。その横でひっそりと口角を上げ、カードに穴を開けた。



「リーチが増えてきましたね〜」

「果たして誰が最初に幸運を掴むのか! どんどんいきましょう!」



再び回り始めるビンゴ抽選機。ボールが出てくるまで、現在の穴の数を数える。


開いてないのが8個だから……17個か。3回に1回の確率で当たってるのに全然揃わないな。穴だらけすぎてダブルリーチどころかトリプルリーチになってしまっている。

6か11、43か51が出ればあがりだけど、ピンポイントだから難しいかな。



「お次は……11! 11番でーす!」