……さて!昼ごはん作りましょう!

って……あのお金大男は大企業の代表取締役社長ですから。

デリバリーするのかな……?


まぁ、まず!冷蔵庫見てみよ。


私は、お金大男の冷蔵庫を開けると。
水と、ビタミンゼリー、アイスしかなかった。


やはり、大企業の社長様は、デリバリーか。

ふむ。ふむ。分かった。
じゃあ、お金大男のお昼ご飯を作るのはやめておこう。


というか、まだ、11時だし!

私はそう思いながら、時計を見て。


「じゃあ、大きいTVで、バラエティなどを見ますか!」

私はエプロンを食卓の椅子にかけて、大きく、広いソファに座る。


リモコンがソファの前のテーブルに置いてあったので、取って、TVの電源を付ける。



「今日のゲストは、王政義數さんに来てくれましたー!」


付けると、6チャンネルになっていて。

私の知っている人がTVに出ていて。

さっきまで、目の前にいた男の人は。




はぁっ!?


ほ、本当だった………!




本当に芸能人だった。


はぁ〜〜〜!

やばっ………って、灯(あかり)してるのかな?

灯は、私の中学からの友達。
芸能人のゴシップなど、芸能人関連のものが大好きで。

一番好きなのが………誰だっけ?

私、本当、芸能人好きじゃないんだ。
なんて、自分のことを実感していると。


「あの、義數くん。……今日は、やけにニヤついているね?」

お金大男に語りかける、大御所の芸人さん。

「はい!すごく、今日は嬉しくて!」

ニコッと笑う、お金大男の顔は。

私には、営業スマイルに見えたけど。
TVに出ている、女の芸人・女優さんは。


めちゃくちゃ、顔が赤くなっていた。

TVで見ていても、分かるぐらいだった。

…本当、この笑顔で救われた人、いるんだろうな。

私も、イケメンで救われた人だから。
お金大男じゃないけど。


「……本当に、綺麗ですね!その笑顔!嬉しいのはなんで?」



「家にある、楓の木が赤くなって、嬉しかったので」


「……それだけでっ!?」
なんて、大御所の芸人さんが言うと。
ザワザワと少しだけし始めて。

……だけど。


私は…なぜか、肩がビクッと震えた。

……?

なんで、悪寒?
と思っていたら、お金大男が。

「あっ!でもキスが食べたいんです!……あっ!魚ですけど!」


付け足しをし始めて。


私はよく分からなかったので、

「……っ?どういうこと?ちょっと待ってよ。これ、全国放送されてるけど……って、携帯のアプリ見てみよ。」

と声を出して、携帯のアプリを開いた。

やはり、携帯のアプリはすごい!!
何を探しても出てくる!!


だけど、それより………

すごいっ!!?

お金大男の名前が、トレンド一位になっている!?


私はそれより、お金大男がトレンド一位になっていたのが驚愕だった。


そのアプリのトレンドや#(ハッシュタグ)が。

#王子様ド天然浮上
#王子様キュンです
#もう好っこ!

などあり、私は、その話題のページを押すと。

『もう……王子様〜〜〜!!』

『やっぱり、異世界から来たでしょ!!』

『イケメンで、王子様なんて、この世にいないと思ってた!?!』


『王子様、ド天然疑惑浮上!!』


など、文が書いてあり、どうやら、お金大男は王子様らしい。

みんな、違いますよ!!

この王子様だと思ってる人は、私の時は、
『魔王』ですからね!!!

なんて、話題のページを開いていながら、私は携帯に圧をかけていた。

本当に、私は……魔王だと思っているんですけどね?


私が下僕or奴隷。

お金大男が魔王だよ。
あっ!お金大男じゃなくて、魔王様の方がいいかな?

なんて、私が、ワクワクしながら考えていると。


って……やばい。やばい。

あの魔王様のことを考えていたら、めちゃくちゃ怒ると怖い顔を思い出してしまう。


その顔を思い出すと、背中がゾッとして、口を開いてしまう。

私は手でポカンとしている口を抑える。



……あれ?今日、何曜日?

私はそう思い、カレンダーのアプリを見ると。


今日は………23日……はぁ〜っ!


土曜日だ……!
はぁ〜っ!良かった!!

学校だったら、どうしようかと思ったから……!

もし、学校だったら、大遅刻……!

焦ったぁ〜〜〜!!
私は深いため息を吐く。


というか、暇。


暇。


暇です。


こんな広い建物、というか、魔王様のお家で、1人って……少しだけ、寂しいや。


TVにある録画は無いし。

あっ!


灯に連絡してみよっ!

私は携帯でメッセージアプリを開いて、灯に連絡する。


私は、壁から覗きこむ、アニメのキャラのスタンプを出して。


【暇ですか〜(m^o^m)】
とメッセージを打つ。



そしたら、すぐ既読の文字が付いて。


【暇でーす( ^ω^ )】
とメッセージが来た。



【というか…電話しない?】
とすぐに灯から、メッセージが来て。

【いいよー】を私は送って。

灯から、電話が来た。


「はいよーヘロー!灯」

《なんか、今日暇って感じていますか?楓様は?》

「はい。その通りでございます。」

《ごめんね。今、言わして。》

「ん?」


《おじいちゃんの、お悔やみ申し上げます》

「電話で?……だけど、ありがとう。」

《ううん。今、一人暮らし?》


あっ……どうしよう……!

でも……灯なら、口が堅いし。
信じよう。


「あのさ……灯、私の家のこと秘密に出来る?」と私は灯に話しかけると。


《うん。私は口が堅いので、大丈夫ですよ?》

「ありがとう。……私は、一人暮らしじゃなくて、国民的俳優の王政義數の家にいるの」

《はっ?》

まぁ…そりゃあそうですよね。

《嘘でしょ?》

「嘘じゃない。」


《マジで?》


「マジで。」
私は、灯の言葉を同じように真似をする。


《すごいね……って、本当?》

「うん。本当。」

《……ほ、本当!?》
と電話から聞こえる大声は響いていて。
私の耳にキーンとするぐらいの大声。


《すごくないっ!?……どういう関係で?!……お聞かせ願います!メモ用意するから待ってて!!》


「ちょっ……と待って!!!」
私も大声を出す。


《?……何?》


「そんなに、有名じゃないから!!」

《えっ?待って。楓のおじいちゃんの職業知らない?》


「えっ?」


《有名な芸能事務所の社長……と、有名な神社の末裔》


「へっ?」


神社?事務所?

《知らない?王政義數も、その事務所》


魔王も所属している、芸能事務所?

はっ?

「……えっ?」

まるで、さっきのことが反対になったように私と灯は話す。



「本当?」

《本当》


「マジで?」


《マジで》


「うっそおおおおおお!?」
私はこの家に響く、大きな声を出す。



嘘……でしょ?


灯は…「やっぱり、知らなかったか……!」と「はぁーっ」とため息を吐きながら、話してくれた。