「ふふふ」
何故かあたふたしている僕に彼女は笑った。
その笑顔を見て僕の胸は高鳴った。
きっと一目惚れだったんだと思う。
それから、河原に行くと彼女は必ずいた。
付き合うまでにそう時間はかからなかった。
僕にとってはじめての彼女だった。
「はぁ……」
出逢った当初のことを思い出しても、やっぱりなんで彼女が僕なんかに声をかけてお付き合いまでしてくれたのか不思議で仕方なくなる。
「ねぇ、クロ。僕画家になりたいんだ…」
1度だってコンクールで優勝したこともないのに。
「ともえはなんて言うかな。あ、ともえって彼女のことね。」
クロは興味が無いのか無反応だ。
それでも、僕の隣で僕の話を聞いてくれる。
そんなクロに励まされて僕はその日眠りについた。



