2人は駄菓子屋へ近づいていく3人組の背中を見て、頷きあった。


海斗はポケットの中に入れておいて、男から預かったものを取り出す。


そして3人組へ話しかけた。


「あのさぁ!」


少し大きな声を上げたので3人が同時に立ち止まった。


海斗はその場に立ったまま、持っているソレを3人に見えるように手に持った。


「これ、落としたけど誰の?」


その質問に3人は同時に近づいてきた。


駄菓子屋との距離が開く。


そして海斗の持っているものを見つめて、自分のポケットを探り始めた。


「私はちゃんと持ってるよ」


1人がピンク色のハンカチを取り出して答えた。


他の2人も同じようにハンカチを取り出す。


「そっか、お前らの落としものじゃなかったのか」


海斗が白いハンカチをヒラヒラさせて言うと、1人が「海斗くんが落とし物を拾ってくれるなんて珍しいね」と言い出した。


「え!? 落とし物くらい拾うだろ普通」